独立前には知っておきたい!美容師に必要な7つの能力!!

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僕は最初に勤めたサロンの優秀な同期達や、二つ目のサロンで教えてもらった天才的なボスとは違い、多くの時間を使って必死に練習を重ねてもなかなか技術の上達ができませんでした。
そんな技術的に伸び悩んだとても辛い時期があったのですが、その事がきっかけで”できる人”と”できない人”の違いや、”習得が早い人”と”遅い人”の違い、”結果がでる人”と”結果がでない人”の違いはなんなんだろう??と日々いろいろな美容師さんを観察するようになりました。
 
この時期、習得が遅い事は美容師人生のかかった重要なことだと思っていたのでとても必死でした。
しかし、後々に成長の遅い早いがいい美容師の良し悪しに繋がるという訳ではないことに気づきました。
遅咲きにもたくさんのメリットがあります!!
 
そして観察を続けていくなかでいろいろな法則をみつけました。
すこしづつ美容師に必要な能力が明確になってきて、自分の得意な部分や不得意な部分がみえてきたのです。
自分の能力を自覚した事が美容師としての才能が開花しはじめたきっかけとなり、それからは美容というものがとてもシンプルにみえ、手に取るようにわかるようになりました。
人にはそれぞれ”長所や短所”だったり”得意な事や不得意な事”が必ずあり、その部分がわかるだけで自分をどう活かしたらいいかがみえてきます。
その人なりの能力を発揮することこそが、素晴らしい美容師への道に繋がるのではないでしょうか。
 
 
 
 
気になったことはありませんか??
例えばですが
カットが上手かったりブローが上手い等と技術的に優れているのに、なかなか売り上げの伸びない美容師さんがいるのに対して、カットやブローが綺麗にできなかったりと技術がそこまで優れていなくてもめちゃめちゃ売り上げる人が存在したり。
接客が大事と言われる中、お客様と全くしゃべらない美容師さんにたくさんのお客様がついていたり・・・
これは一体何の”能力の差”なんだろう??と気になったことはありませんか? 
究極をいうと”相性”や”人間性”といった部分が大事になるのかとは思いますが、それ以前に”能力””スキル”である程度まで説明できることに気付きました。
一人のお客様から希望のヘアスタイルを聞きだし、それを提供して満足して頂く為に必要な能力を7つに分解しております。
「技術が大事」とか「接客能力は必須」とか「センスはあってあたりまえ」とか、最近の美容師には色々なスキルが求められてますが、そもそも技術ってなに!?という観点から美容師に必要な”能力”や”スキル”を分解して考察してます。
 
 
 
 
 
 
美容師に必要な7つの能力とは??
 
 
①技術
イメージを形にできる能力。知識と経験でみにつくもの。
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 技術とは『ものごとを取り扱ったり処理したりするときの方法や手段。および、それを行うわざ』ネット辞書やWikipediaではこのように表記されています。
ここでは技術とは単純に目的の形をつくる事と定義してみました、つまりは目的のヘアスタイルがありそこに到達するまでに必要な知識や経験を駆使した技の事です。
パーマスタイルであればパーマをかける技術やアイロン技術を使い目的のカタチをつくりますよね。
カラーであれば指定の色に出来る技術だったりと。
いろいろな技術の組み合わせでひとつのヘアスタイルを作り上げます。
皆さんが遅くまで練習しているのがこの技術だと思います。
美容師の基本で必要な能力ですね!
 
 
 
 
②接客
お客様をいい気分にする能力。自分らしく自然体でいる事でより共鳴する。
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接客とはおもてなしのことですよね。
気をきかしたりとか距離感とかノリとかといったコミュニケーション能力が前提で成り立つ能力だとおもいます。
お客様によって、入っても大丈夫な領域や距離感ってちがいますよね。
自分のフィールドに入ってきてほしい人もいれば、入ってきてほしくない人もいます。
タイミングによって今は深く切り込んでほしい時もあれば、浅めに済ませてほしい時だってあります。
接客も追求するととても奥が深いなと思いますが、心を開いて自分らしく自然体でいる事でよりパフォーマンスがあがる気がします。
究極はお客様との共鳴感覚をつくれたり感じ取れたりといったところでしょうか。
 
 
 
 
③センス
感性。美的感覚。美しいものを見て感じると育つ。
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センスという言葉にはかなり広い意味あいがありますが、今回は美的センスに限定して定義しています。
ここで言う美的センスとは、美の微妙な加減がみえるか美の繊細なバランス感覚があるかどうかや、トレンド感覚やファッション・ヘアスタイルなどの引き出しの多さなどを兼ねたトータル的な意味あいをさしてます。
センスって言葉は先天性の能力に捉えられがちですが、ちゃんと育てる事ができます。
とにかく美しいものをみたり素敵なヘアスタイルをみて感じる事によって育つのではないかとおもいます。
ポイントはただ見るだけではなく、観て”感じる”ということ。
 
僕的にはですが、個人サロンの美容師に求められる美的センスは一般平均より高いくらいでも十分だと思っています。
もちろん最低限のセンスは必要ですが、圧倒的センスを求めるお客様は世の中には少なく、あまりモード過ぎても、トレンドを2年3年と先取りすぎても理解されません(表参道などの有名店では圧倒的センスが必要だとおもいます!)。
一般的にほとんどのお客様が求めているのは「自分に似合っているか?」「変じゃないか?」「時代遅れになってないか?」そして「美しく素敵になれているか?」であり、超オシャレに飛び抜けた存在になりたい訳ではないなと感じてます。
 
 
 
 
④カウンセリング
 お客様の理想のイメージをキャッチする能力。相手の理想を引き出す。
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ここから少しづつ図が複雑になります。
どんなにセンスや技術があっても、お客様の理想スタイルや趣味趣向をキャッチする事が出来なければ、満足していただくことは難しいですよね??カウンセリング能力はそんなお客様の求めるものを引き出したり提案したりする能力だと思います。
接客とカウンセリングを混同している方は、ふたつはまったく別物なんだと認識しましょう。
お客様が本当に必要なものをキャッチできるのか?はとても大切な事ですよね。
技術・接客・センスに力をいれているサロンは多くありますが、カウンセリングを強みにしているサロンは少ないように感じます。
スタイリスト個人が伸ばす能力としては時代的にも良い能力ではないでしょうか??
 
 
 
 
⑤観察力
お客様の素質や雰囲気を見極める能力。カウンセリングとの相乗効果。
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観察力はお客様の現在のヘアスタイルや髪の状態からピッタリの薬剤を見抜いたり、外見的なジャンルやタイプ、素質や雰囲気、趣味趣向を見極める能力だとおもいます。
カウンセリング以前に、観察することにより受け取れる情報は膨大にあります。
どのような方向性のスタイルにするのか?どのような技術を用いてスタイルを再現するのか?といった部分を適切に判断するには、今の状態をしっかりと観察し把握することが大前提です。
観察するだけでもいろいろと聞きたくなることはたくさんでてくるのではないでしょうか?
 
例えば
髪の状態を観て、(あれ?毛先はデジパーかな?)と感じたら「デジタルパーマとかかけられてますか?」なんて質問をしたり、『はい』という回答から(どうしてデジパーなんだろう?)という疑問がうまれて「なぜデジタルパーマはなぜかけられたんですか?」と聞いてみたり、そこから『前の美容師さんにすすめられたのでかけてみました』という答えなのか『デジタルパーマが好きなので、扱いやすいので』という答えなのかでお客様自身の意思なのかそうでないのかが分かったりします。
他にも服装やメイクなどの観察して得る情報があり、希望のヘアスタイルが観察して得た情報とミスマッチだった時に(どうしてそのヘアスタイルにしたいんだろう?)なんて疑問がでたりします。
これはそもそも観察力がないとでない疑問・質問だったりすることを考えると美容師にとっては必須能力ですよね。
 
 
 
 
⑥デザイン力
相手の理想のイメージと、自分のセンスとのイメージを融合してデザインできる能力。
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ちょっと図が複雑になりましたので、図の流れの説明です。
ここで定義するデザイン力とは、カウンセリングで引き出したお客様の理想と、観察力で得た外見的な情報をもとに、自分の持っている美的なセンスを融合してひとつのヘアスタイルの完成イメージを創り上げることを指しています。
そして技術を用いてそのできあがった完成イメージを実際に形にしていきます。
 
どんなにセンスが良くて、カタチに出来る技術があったとしても、お客様の理想と自分のセンスをうまく融合する事ができなければ自分よがりの美容師にしかなれません。
 
実際、センスにあふれた美容師さんがお客様からカウンセリングで要望を伺い、「前髪は長めにしてください」と言われているのに、前髪を短くカットしてしまったのをみたことがあります。
お客様の理想をカウンセリングで引き出しているのにもかかわらず、デザインとしてイメージを融合せずに自分の美的センスのみで施述した結果、前髪を短くカットするという結果に至ってしまったのではないかと思います。
これでも満足していただければ良いのですが、自分よがりのアーティストになってしまいクレームにつながる可能性もあります。
アーティストスタイルは素晴らしいですが、美容師は高いセンスを持ち合わせながらもお客様の要望を伺って創造するクリエイター能力も必要です。
センスが高ければお客様の満足するスタイルがつくれる訳ではない事を考えると、デザイン力はとても大切な能力だと思われます。
 
 
 
 
⑦意識力
美容コンプレックスを感じ取る。相手の意識をニュートラルに観る能力。
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最後はマニアックな能力になりますが、美容のプロフェッショナルとしてはとても大事な部分ではないかとおもいます。
ここで定義している意識力とはお客様の思い込みや美容に対してのコンプレックスを感じ取れる能力のことです。
 
例えば
おでこを出すのが似合わないと思っているお客様がいるとします。
美容師からしたらよっぽどな理由がない限りは似合わないスタイルというのはそうそうなく、似合わせられるかどうか?の技術やセンス的な美容師側の問題になってくるかと思います。
では、なぜそういった思い込みができあがったのか?誰かに似合わないと言われたのか?自分のセルフイメージにおでこを出してるイメージが全く無くて似合わないと勝手に思い込んでいるのか?何か外見的な要素にコンプレックスがあるのか?
お客様が理想とする女性像に爽やかさや前衛的な雰囲気や明るい要素が欲しいとしたら、おでこをだしてあげるのがひとつの案としては良かったりしますが、かかえるコンプレックスによっては抵抗が生じて、美容師側が素敵なスタイルを提供するうえでの問題や壁となってくると思います。
もし美容師さんがその部分を感じ取ることができてその問題をクリアにすることができれば、本当の意味でそのひとのイメチェンを叶えたり、人生さえも変えるお手伝いができると思います。
 
 
 
 
 
 
今までに無い感動を提供できる。
意識力という能力でできる事、これは僕が美容師としての実体験を通して感じた美容師こそが提供でき、解決できる最高のサービスなのではないかと思っています。
私たち美容師は人の人生を変えるお手伝いができるんです。
内面的に変わることができなくても、容姿を先に変えてあげることで心が表現している容姿に追いついて成長したりするものです。
『変わりたければ環境や付き合う人を変えろ』という言葉と一緒で、容姿から変えることで内面の変化や成長をすることもできるんです。
その壁となっているのが容姿や美に対してのコンプレックスですが、人はそのコンプレックスに気付けるだけでも少しづつ変化していきます。
美容師はそのお手伝いができる仕事であり、僕はここに美容師としての本質的な素晴らしさを感じてます。
 
 コンプレックスはお客様に直接聞くものではありませんし、美容師がやりとりの中で感じとる必要があります。
潜在意識にあるトラウマのようなものなので、それを読み取るには自分の意識がクリアでありゼロになる必要があるという事から意識力という名前にしてみました。
 
お客様が思い込みやコンプレックスを気付き受け入れた先には、新たなイメージの選択肢が増えます。
美容師さんにそのイメージをカタチにする技術やセンスがあれば、今までにない感動を提供することが出来ると思います。
その感動を受け取ったお客様は、その美容師さんから離れられなくなるのではないでしょうか。
 
 
 
 
小さなサロンで僕が大事にしている能力は??
心理カウンセラーの理想は患者にとっての鏡となれることだそうです。
世の中の人々が”鏡の自分と長時間向き合う場”というのは美容室以外ありえません。
そういったことを考えるとこれってホントに美容師が提供できる最高のサービスのひとつになるのではないでしょうか?
 
小さいサロンを営む僕としてはこの意識力という能力をとても大事にしています。
遠くから毎回辺境の地の美容室に来てくれる理由のひとつにもなるのかなと思っていますし、現状の美容業界では回転率を上げる事を重視しているサロンが多く、それをしているサロンにはできないサービスとなります。
その為、この部分では美容室としての圧倒的な差別化を築けていると感じていますし、小規模サロンにとって最強の武器となりえます。
ビジネスではホワイトスペースやブルーオーシャンを狙うのが基本です。
この辺のブランディングやマーケティングに関する知識は、美容師が独立するの為に役立つので書いていきたいなぁと思っているのですが、現在来店してくださっているお客様に「そんなに一生懸命やってるの?」感が伝わってしまったり「そんな事考えてたの!?」とかネタバレするととってもダサいので書くに書けないな〜なんて思ってます。。。すいません笑
 
僕は技術的な成長は遅咲きでしたが、その時の辛い体験がこのような発見に繋がったので今では良かったかなって思っています。遅咲きのメリット!!
この7つの能力を知ることにより自分を自覚して知るきっかけに繋がり、少しでも素敵な美容師への成長のお手伝いができればいいなぁと思いながら書いてみました。
 
 
 
 
 

〜追記2015/8/31〜
続きの記事を書きました!↓

美容師に必要な能力。7つの能力を3つに分類してみました。

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