お客様が早速日程を調整してくれて、すぐに日にちが決まりました。
そして当日、渋谷に会いに行きました。
そこで出会ったのはコスモリンクプランニングという会社を立ち上げたばかりの代表、川尻さんという方でした。
ITに関してずぶのど素人ながら、どんな事を実現したいかをその場で一生懸命お話ししました。
内容はちゃんとまとまっておらず、計画性もなく非現実的であり、鼻で笑われてもいいような内容だったと思います。
しかし前に進むにはとにかく自分の中にあるものを全て吐き出して伝えていくしかありません。
川尻さんは無茶苦茶な内容だったにも関わらず、真剣にお話を聞いてくれました。そして色々な質問をしてくれました。
全貌を理解した後にこう言いました
「その案件はうちでは手に負えないので、何人かエンジニアの候補を出すのでご紹介させてください。」
これは願ってもいない提案だったので、ぜひ!とお願いしました。
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それから後日、3人ほどに連絡を取ってくれていたみたいですが
一人は九州の方に行ってしまいNG
もう一人は事業に興味を持ってくれてるが、今の仕事が忙しくNG
最後の一人はまだ返信が来ず
という状態でした。
他に手立ても思いつかず、繋がりも無く、とにかく待つしかありません。
今まで断られてきた経緯もあったので、さほど期待をしていませんでした。
しばらく日が経ち、川尻さんからご連絡が・・・
「最後の方から返信あって、興味あるそうです!とてもいいエンジニアさんですよ!」
なんと!!!
即答でご紹介をお願いしました。当日は品川のワイアードカフェで待ち合わせし、岩片氏も同席してくれました。
プログラマーさんが遅れるとのことで、3人で雑談中、ふと気になる事を思いついたので川尻さんに質問しました。
古木
「プログラマーさん年齢はいくつくらいの方なんですか?」
川尻
「彼は50代の方です」
(さらりと)
ご、
ごじゅう・・?
古木
「えーーーーーー!」
そ、そんなベテラン・・・・ぬぉぉ
僕は思わず
古「だ、だいじょうぶですかね?何話したら良いですかね?」汗
と聞いてしまいました。
川「思ってる事を全部話したらいいと思いますよ!」
(さらりと)
当時、僕は20代です。ただの小僧です。美容業界で50代の方と言ったら神クラスしか思い浮かびません・・・
そんなベテランとは思っておらず正直ビビりました。。
そしてプログラマーさんが到着しました。
彼はネット上では実名を一切出さずに活動しており、通称でmasas(マサス)さんと呼ばれているそうです。
(ネット上に存在しないとか、なんかすごいぞ・・・・)
↓masasさん↓
この時、企画書をつくって持っていたのでそれをお渡しし、お話しました。
↓当時の企画書の一部↓
(今みるとショボいなぁ〜;)
ベテランには回りくどいコミュニケーションはきっと意味ない!と思い、とにかく直球で想いを全てぶつけました。
美容師ってどんな仕事なのか?
美容師の仕事の素晴らしさや尊さについて
どんな環境でどんな現状なのか?
何をしたいのか?どんな世界を実現したいのか?・・・
そしてmasasさんは言いました。
「いいよ、明日から作ってあげる」
えーーーーーー!えーーーーーー!
「え、ちょっと待ってください!」
(びっくりして思わず出たセリフです。笑)
報酬もなしにいきなりアプリを作ってもらうのはいかん!と思い
「ちゃんと契約書作りましょう!それからぜひお願いしたいです!」
と、急遽契約書をつくる事にしました。
僕はこれまでに、自分の時間を費やしたプロジェクトが途中で消滅したりと、報酬をもらえなかったりした経験を何度かしていたので、それを自分がする立場になるのは嫌だなと思っていました。
そこで、ガチガチではないけどお互いを守れる契約書をサクッと作りました
内容を簡単に書くと
①自分が自己都合で急に辞めた場合
200万円を
無条件でmasas氏にお支払いする
②逆にmasas氏が辞めた場合、制作物をこちらに譲渡する
というものでした。
急に作った契約書でしたが、お互いの消費した時間を無駄にしないように守った契約内容でした。
そして一週間後に再度対面し、サインをしました。(確か同じワイアードカフェだったかな)
この当時はIT用語がさっぱりわからなかったので、僕が
「プログラミングの専門知識が乏しく、業務のやりとりでご迷惑おかけすると思いますが・・」
と言った時に
masas
「古木さんはプログラミングについて何も知らなくていいですよ。
知っていると私たち制作側に気を使ってしまって言いたい事が言えなくなり、美容師さんにとって本当にいいものが創れなくなっちゃうからです。
私は何でも出来ますから
必要な機能ならなんでも言ってください。」
か、かっこいい・・・
「いいものを作る為の意志」を感じ、そのプロフェッショナルな姿勢に感激しました。 この人と一緒に作りたい!!とマジで思いました。
それからは月に1回、茅場町の会議室で定期的にミーティングをしてアプリ開発を進めていくことになりました。
ここから徐々に時間をかけて、masas氏がどれほど凄いプログラマーなのかを身をもって体験していくのでした・・・
つづく
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