小さな経営感覚
この時期から、限られたヒト、モノ、お金という資源(リソース)を使っていかに結果に結びつけるか、といったイメージが明確に持てるようになりました。
プチ会社運営を経て半年、ようやく小さな経営感覚を身につけはじめた時期でした。
そんな中、辛い出来事が立て続けに起こるのです・・・・
前回のエピソード✂︎05はこちら
2015/4
投資を受けるには
目下の課題は資金面でした。
投資を受けてアプリのクオリティアップ&制作のスピードアップを図りたいと考えていました。
そこで、インキュベイトファンド(ベンチャー投資するファンド)の5分ピッチ練習(5分で行うプレゼンの事)に参加させていただきました。
結果はまたしても惨敗。。。意気込みすぎて規定のプレゼン時間にも入らない始末でした。
が、その後もインキュベイトファンドでベンチャー向けの勉強会を開催されていたので、何度か足を運ばさせていただきました。
ここでの勉強会は非常に為になるものばかりでした。
そして改めて、チームや共同創業者の重要性を実感します。また、投資を受けるにはクリアするべき課題があることにも気づきました。
その課題から以下の工程で株を動かすと良い事がわかりました。
①外部から出資を受ける前に、社内の創業者間で株を分けておく。
②創業者間で分けたら、次は外部投資家からの出資を受ける。
具体的なアクションの順序は
①たっちゃんと創業者間で株を分けて持ち合う
②masasさんから外部投資家として出資を受ける
③その後、ファンドからの投資を受ける(またはmasasさんと一緒のタイミングでも良い)
株式は超重要であり後で戻すことができないので、かなり慎重に、適切に動かす必要がありました。
2015/4
共同創業者で株を分ける
たっちゃんと創業者間で株を分け合う為、会計士の松本さん(以下、まっさん)全面協力のもと創業者間での契約の話を進めることになりました。
株関係の話は、すべて透明度を高く説明する必要があり、かつ難しい内容が多く含まれます。
そこでまっさんが第三者として立ち会い、たっちゃんと3人でお話をしました。
まっさんは説明のためにわかりやすい書類まで用意してくれていました。
僕もたっちゃんも同様、株を保有したまま事業から離れられては困るので、今後の人生をかけて挑めるかどうか?と言ったかなりシビアな内容でした。
そしてミーティングから2週間後、たっちゃんからの連絡は
「ごめん、一緒にはできない」
でした。すごくショックで動揺したのを覚えています。
2015/4月末頃の事でした。
降り出しに戻る
改めて降り出しに戻ることになりました。
一緒に挑む仲間がいなくなることは大変な事です・・・
新しい事にチャレンジしているときって、理解者がいないのが普通で、だからこそ仲間がとても大事な存在なんです。
心にあったのは素直に「辛い」の一言でした。
とはいえ、止まるわけにもいかず、むしろ逆にだんだん燃えてきました。
1人だろうが降り出しだろうが、どこまでも行ってやる!そんな気持ちでした。
ちょうどこの時期に本ブログを開設し、最初に書いた記事がなぜかすごくシェアされました。
2015年5月に書いた記事はこちら
masasさんの制作サポートから1年すぎる頃だったので、出資の件についてこれ以上待たせるわけにはいかないなと思っていました。
そこで、再度まっさんの協力を得て書類を準備してもらい、masasさんと3人で投資契約のお話をする事となりました。
投資契約のミーティング日程は2015年の6月23日。ちょうど僕の30歳の誕生日でした。
訃報
6月22日のミーティング前日、お客様のカットをしている最中に1本の電話が鳴りました。
それは地元の友達からで、悪い知らせでした。
小学校からの幼馴染の自殺の件でした
カットの最中にも関わらず、外に出てしばらく階段に座り込んで頭を抱えてしまいました。
「え、どうして?なんで・・・」
心臓がギューっと締め付けられて、内臓がゾワーっとなりました。突然のことに頭も真っ白で、感覚的な異変が体を襲いました。
自殺した彼とは6日前に飲みの席で誕生日を祝ってもらったばかりでした。
会ったばかりだったんです。
地元の友達で唯一、深く話を聞いてもらえている存在だなと感じてました。
本音を聞いて受け止めてくれるそんな存在にありがたいなと思ってました。
僕にとってとても偉大な存在でした。
地元のリーダーで、人望も厚くすごく尊敬してました。
ちょうどこの時期にはじめたブログを読んでくれていたみたいで、6日前の16日にこんな言葉をかけてくれました。
「俺は色々な人と会ってきたけど、どんなえらいヤツよりも、どんな金稼いでる社長とかよりも、どんな有名なヤツよりも、カズマの仕事の在り方、生き方を尊敬するし、そうゆうほうがホントにすごいと思う。マジでそう思う。」
すごく応援してくれました。この言葉に正直すくわれました。
ただ、あまりにも純粋でポジティブな言葉に対して、素直に反応する事ができませんでした。
だって、こんなふうに言われたの初めてだったんです。
あの時に、心を開いてちゃんと言葉を返せなかった事が今でも後悔でしかありません。
22日の夜に地元のみんなで集まり、落ちた雰囲気の中、夜中の12時を回りました。
そして、30歳を迎えたのでした。
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