美容業界が崩壊する時______________________ひきこもり美容師がITベンチャーを起業した理由:✂︎01

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本ブログはLiME株式会社ができるまでの創業期2013〜2015年末頃までのお話となります!アプリができたり、メンバーが集まって会社ができるまでのことを赤裸々に書いています。
 
第1話目は少し長めのブログとなりますが、 2話目からは短くライトに読みやすいようになっており全10話ほどでサクッと読破できるかと思います。
 
色々とあった創業期をぜひご覧になっていただけると幸いです!
 
 
 
 
 
 
どうやったら理想の世界を実現できるの!?
2013年当時、僕の頭の中は
 
 
どうやったらどんな人でも美を簡単に表現できる世界】を実現できるのか?
 
ということでいっぱいでした。
 
普通の美容師である僕は、単純にテクノロジーによって実現できるんじゃないか!と考えていました。 
 
 
いきなり小難しいお話になりますが
 
もし、テクノロジーによってお客様の美容データを視覚化してステータス化できれば、自分の美容ステータスをみて今の状態を知り自覚する事が可能になります。
※お客様=美容室に訪れるお客様を表しています
 
 
 
 
さらに美容ステータスを応用する事で、自分の髪質にあうシャンプーがわかったり、理想の髪型を実現してくれる自分にあった美容師さんにも簡単に出会えるようになれたりします。
 
 
そんな理想的なサービスのイメージを動画にして作ったりしていました。
 
 
しかし、お客様が自分の美容ステータスのデータを視覚化するには、お客様自身が自分でデータを入力したり収集して溜める必要があります。
 
美を数値化して分析するには、良質な美のデータが大量に必要なのです。
 
 
もし、システム自体が実現できたとしても、お客様にはこのシステムを使う理由がなく、使ってもらえなければデータは蓄積しません。
 
データがなければ分析することもできません。
 
動画で作った様な世界観を実現するには、より現実的なサービスをつくって多くの人に使っていただく必要があったのです。
 
 
 
実績もお金も無い普通の美容師である自分にできることは何か??知識も経験もゼロのなか、実現したい世界に向けて模索する毎日を送っていました。
 
 
 
 
 
 
 
 
第1話よりも前のお話、「なぜこのような考えに至ったのか?」がわかる第0話はこちら
 
 
 
 
 
 
 
 
友人に教えてもらった起業の可能性
当時、実現不可能な世界観に対して、多くの人に批判されました。
 
「どうやってやるの?」
 
「誰がつくるの?」
 
「お金はどうするの?」
 
「それって世の中に必要なの?」
 
といった感じに
 
 
そんな非現実的なアイデアの頃に、ちゃんとお話を聞いてくれた友人がいました。
スーパークラウズというデザイン会社の代表をしている岩片氏です。
 
2013年の夏頃のことです。
 
 
彼は非現実的なアイデアを実現できる起業について色々と教えてくれました。
 
ちなみに起業とは↓
<新しく事業を起こすこと。特に、ベンチャー。>
 
当時はベンチャーや起業という言葉の意味をよく知りませんでした。まさに世間知らずです。 
 
 
教えてもらったことは
・可能性があるアイデアであればお金を出してくれる投資家が存在すること
 
・投資を受けるには事業計画書をつくり、そしてプレゼンが必要なこと
 
というものがあって、投資を受けるには株の知識がめちゃめちゃ大事という事(当時、株がよく何かわかってませんでした)
 
スタートアップというベンチャー企業の存在について
 
・サービスの利用者を集めるには問題とニーズがあり、それを解決できるようなサービスをつくる事
 
などなど。。。
 
 
事業計画を作ったり投資を受けたりと当時の自分には非常に難しい話でしたが、問題とニーズを解決できるサービスを作るというフレーズにとても惹かれました。
 
もともと問題があったら、解決したくなる性格だったので非常にそそられるワードでした。
 
 
「問題とニーズか・・・」
 
 
美容師個人として感じる問題や課題は色々とあったものの、美容業界という大きな視点で問題意識を持った事はありませんでした。
 
個人的に強い権力に対して悔しい経験をしたこともあったので、美容業界という視点で物事を見ていくことに興味が湧いてきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
美容業界の実態
その後、美容業界や美容師の立場、お金の流れや歴史などを調べはじめました。
 
業界の調査と考察を重ねていく上で色々な気付きがありました。その中でも特に印象的だったのは
 
美容業界は非常に権力構図や利権の強い業界なんだなという事。
 
権力と利権は企業や美容組合などなど色々です。そもそも利権を握っている人達がそこまで自覚してないのが厄介なところだったりするのかもなとも思いました。
 
また既得権益がガッチリしていて、他の業界と比べると閉鎖的であり、形状が固まったピラミッド構造に近いイメージがあります。
 
業界と区切っている時点でなんだか閉鎖的ですし、利権者の抱いている業界感がなんとも強すぎて気持ち悪いというか、かっこ悪いなって思う様になりました。
 
しかも利権や権力構造で得られたお金は、業界内に還元・投資されて発展するという感じはなく、むしろお金が外部に流れているイメージがあります。 
還元率の低さは進化の停滞を意味します。
 
なぜ、革命的な美容商材や機材が作られないのかもこれで納得ができました。美容師という職が給与が低かったり、労働時間が長いという事もここに繋がってくるんだなと。。。
 
必ずしも美容師や美容室の人数が多く飽和状態だからという訳ではなかったんですね。 
 
あくまで個人的な感覚ですので、興味がある方はぜひしらべてみてください。
 
この様な事を知っていくうちに、お客様に美を届ける以前に
 
 
その美をサポートする美容師さんの環境を整えないとダメだっ
 
 
と、思うようになっていきました。
 
構造上の問題であるのなら、これを変える方法もあるんだなという事にも気付けました。
 
この体験はのちに創るLiME株式会社の使命・ミッションへと繋がっていきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大きな組織が崩壊するとき
大きな事を成し遂げるには組織は必要です。そんな組織も、全く新しいものを作るには一度崩壊する必要があります。
 
積み木も高い塔を作った後に、やっぱりを作りたいなと思ったら一回崩す必要がありますよね。
 
歴史上、日本では坂本龍馬が活動して明治維新が誕生したり、フランス革命では市民がクーデターを起こして政治体制が大きく変わったりと、新たなものが生まれる時には昔の体制は一度崩壊しています。
  
そもそも新たなものが生まれる時ってどんな時でしょうか?
 
・独裁制から民主主義になった時
 
・ロウソクから電気になった時
 
・馬車から車になった時
 
・手紙からメールになった時
 
どれも便利になったり、世に必要だから生まれてきたんですよね。
 
次の時代に必要なものが成長し、古い組織やルールは衰退したり無くなったりするものです。
  
 
 
 
ピラミッド構造は実際どんな役割を果たしているのか?
 
例えば、一箇所にモノを集めて、そこから皆に配ったりとか。
 
多くの意見を一箇所に集め、賢い人が集まって何かを判断したり、集めて判断した情報を皆に流したりとか。
 
使い方によってはとても便利な仕組みであります。
 
ピラミッドの利点は判断箇所を集中させる事により、素早くそして賢いベストな判断ができるところ。そしてその判断した事を多くの人で実行して実現できる事だと思われます。
 
 
 
 
 
実際、今の時代に必要なの?
現代ではネットワークが築かれて以降、世の中は大きく変化しています。
 
Googleによって膨大な情報に個人が直接アクセスできるようになり、Appleによってコンピューターを持ち運べるようになり、Facebookによって個人同士が有機的に繋がれる時代が来ました。
 
今やネットワークは生き物の様に機能し、良い情報はシェアされ(たまに嘘の情報もありますが)、悪い情報や発信は炎上して批難を受けたりと、民意が自然とインターネット上に反映されています。
 
 
こうなってくると、ピラミッド構造が必要のないところも出て来ます。
一箇所に情報やお金を集めなくとも、ネットワークによって自然と情報は流れ、自然とお金も流れる様になってきているのです。
 
個人的には、美容業界の構造に関しては現代のスタイルにマッチしていないと思っており、徐々に崩壊していくのではないかと考えています。
 
今すでに、有機的にカタチを変えようとしていますが、その後釜が上手く見つかっておらず変わりきれない、そんな状態なのかなと。
 
ピラミッド構造自体がその必要なカタチに変化すればいいだけなのですが、歴史上よくあるのが、古いカタチに執着し、その形状を維持する為に権力をふるってしまうという。
 
既得権益ってやつですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これからの美容業界
僕はこの先、美容業界という大きな枠組みはだんだん必要なくなっていき、次のカタチへと進化していくと考えています。
 
もっと他の業界とも融合していき、境目が見えづらくなっていくのではないかと思っています。
そもそも壊れてもほとんどの人が気付かないだろうし、気付くのは業界内と業界外の両方を体験で知っている人だけで、片方の体験だけではわからないモノだと思います。
 
美容師であるほとんどの人にとって、美容師を続けていく上で美容業界という枠はほぼ関係なくなり、社会との直接的な関わり方に変化していくと考えています。
 
【美容業界】という定義もはっきり説明してないですし、何を言っているのかよく分からないですよね。
 
ざっくりな例えですが、代理店を通さなくても消費者に直接モノが売れる様になりましたよね?
これと同じような変化が美容業界にもたくさん起きていくと思います。
 
 
 
 
それからネットワーク効果によって、お客様とスタイリストがより直接繋りやすくなり、より個人に合わせたパーソナルな世界になっていくのではないかと思っています。
 
あなたにあった髪型
 
あなたにあった美容師
 
あなたにあった人生。
 
そんな世界になるんじゃないかなって。いや、ここは「そんな世界を実現する!」と言っておきましょう。
 
今の時代、お客様はいいサロンを探すより、いい美容師に出会いたいという人も多くなって来ています。
 
美容師個人がより注目されたり重要度が増すと、美容業界やサロンの在り方も変化せざるをえませんよね。
   
 
 
 
 
 
 
 
美容師との信頼ある繋がりを作るには
このピラミッド構造上で一番困っていて苦しんでいるのは現場の美容師さん達である事に気づきました。圧倒的に不利な立ち位置に立たされているのが現状です。
 
上記のことを踏まえ、美容業界の流れを変えるのに重要な第一歩は美容師さん一人一人と信頼ある繋がりをつくることだなと考えました。
 
なぜなら、困難な状況である人たちを助ける事こそサービスの本質である!と考えたからです。
 
 
 
自分でも美容師として色々なwebサービスやアプリに触れてきましたが、どれも私達の時間を奪うようなサービスばかりです。
 
美容師向けのサービスは、時間を使って努力をしないとメリットを教授できないものだらけ。。写真を一生懸命投稿したり、お客様に一生懸命アプローチしなきゃいけなかったり。その割にはメリットがあまりなかったり。。
 
なぜサービス内容がそうなるのか?それは提供側が僕ら美容師を一つのコマとしか捉えていないからだと感じはじめました。そこに感情や想いはなく、企業からしたら美容師個人は一つのコマなんです。
色々な人や企業にこのアイデアをプレゼンしにいったり議論をしてこの事に気づきました。
 
 
彼らはどうやって儲けるかが大事なのです。
 
 
もちろん企業やサービス提供側はこの事に気づいていないと思います。気づいていればきっと改善しているはずです。
決めるのはトップで、その決定を従業員が作業して制作していくわけで、それが彼らの仕事な訳です。
 
 
サービスを提供していく時に、想いや感情ってすごく大事なんだなって事を再認識しました。
美容師としてお客様を綺麗にする時にも、「失敗したらどうしよう」とか「帰ってからも周囲に褒められる様な髪型を提供したい!」っていう感情面や想いがあるからこそ、今のサービスクオリティにつながってるんだなって実感しました。
 
 
この様な体験から、この事は自分でしっかりと責任を持って取り組んでいかないとダメだなとはっきりと自覚をしました。
 
 
そして
美容師さんとの繋がりをつくるのであれば、時間を奪うのではなく美容師の時間短縮や業務の効率化をできるような、そんなサービスがいいなと考える様になりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
カルテのアプリを作ろう!
その後、岩片氏に相談している時に最初のアイデアが浮かびました。
 
2014年の1月〜2月頃になります。
 
美容業界には様々な問題が山のようにありますが、そのなかでも盛り上がった話は、僕が美容師1年目の時に苦労したカルテ管理の話でした。
 
自分が務めたサロンの入社1年目は、次の日に来店される何百名ものお客様のカルテを全てだしてスタイリストごとに整理しておくのですが、入社当時は毎晩夜遅くまで残ってカルテと奮闘してました。
 
その日のカルテを戻して、次の日のカルテを出してと夜中の2時とかになってしまい、練習もできない日なんかもあったりして。。。。
 
紙でのカルテ管理の場合、例えばカルテファイルに戻すお客様の名が「有田(ありた)」さんだとした時
読み方を間違えて、あ行ではなくゆ行のカルテファイルに戻してしまったりすると、探す側はなかなか見つけられません。
 
 
他にもあ行でなく、隣のファイルか行に戻しちゃったりとか。
 
 
 
 
担当者を間違えてカルテを戻したりしたらさらに大変で。。
担当者を間違えた上にさらに読み方を間違えて戻したりしてるともう最悪です。。 
 
 
 
戻す側は一瞬で終わることなんですが、探す側はホントにホントに大変で。なんの苦労だったのか。。。
 
 
 
その話を聞いて岩片氏が「ズマさんそれですよ。」と一言。僕はこの一言を聞きしばらくした後にイメージが浮かびました。
 
 
「カルテ管理か!いいね!!」 
 
 
そのあとすぐに実現したい世界への道筋も見えてきました。
 
そしてさっそくカルテアプリのアイデアを動画にしました。
 
 
 
あのカルテの苦労は、自分が体験するべき運命だったのかもしれません。今となっては感謝しています。
 
あのカルテ室の苦労よ、懐かしや。。。
 
カルテの中味は美容データの宝庫です。
 
この美容データがもしかすると後々、美を数値化する事にも繋がっていくかもしれません。
 
そしてここから、人生で一度もやったこともない、何にも知識も経験もないアプリ制作に挑んでいくのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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