花火大会後にロンくんと今井兄と改めて3人で飲みに行き、その後オフィスにも遊びに来てもらいました。
ロンくんは「アプリ制作を手伝ってみたい!」と興味を持ってくれ、masasさんと対面してもらう流れとなりました。
ですが、僕等にはある心配ごとがありました。
前回のエピソード✂︎09はこちら
小僧と師匠の初対面
まっさんと僕からすると、masasさんとロンくんが相性的に大丈夫なのか心配していたのでした。
masasさんはスーパープログラマーである事と引き換えに、生活は昼夜逆転しており、毎日起きる時間が1時間づつずれていくという社会不適合者なのです。(自分でも仰っていてLiMEの公認です笑)
ロンくんは大企業でありホワイト企業に勤める社会性に富んだ人です。しかも当時の印象はチャラいだったので、なおさらmasasさんとの相性は大丈夫かなぁと心配してました。
そんな心配の中、masasさんとロンくんとの初対面の日。
まっさんと僕は、上手く間を取り持とうといった意気込みでした。
が
しょっぱなから2人で盛り上がり、しまいには僕とまっさんは置いてけぼり状態となりました。
そう、ロンくんは生粋のオタクだったのです。
20年間リア充クソ喰らえと生きてきて、それが後に爆発してチャラい系男子をなんとか装っていたようなのです
が、根はガチなオタクだったのです。
masasさんも才能ある最高の小僧を連れて来たと大喜びなのでした。
アプリの申請が通った11月からの出来事
11月にアプリのベータ版としてAppストアにLiMEをリリースする事が出来ました。
8月からmasasさん、松本さんと3人で初めて3ヶ月弱、やっと一つ壁を超えたかなと思った瞬間でした。
その翌月、ロンくんから 「ズマさん、ちょっとどこかでお時間とってお話しできませんか?」と連絡が来ました。
この連絡に対し、まっさんとこんな話をしていました。
古木
「まさか?NTTデータやめてうちに来るとかって話じゃないよねぇ?」
まっさん
「ハハハ、まさかねぇ〜」
そしてロンくんとのご飯当日
ロン
「実はLiMEに正式に参加したいなと考えていて・・・・」
!!!
!!!!!!
!!!!!!!!!!!!
ロン
「実はLiMEに正式に参加したいなと考えていて・・・・」
(脳内リピート中)
ま!まじかっ!!!!
この瞬間、いい企業でちゃんと勤めている1人の人間を迎えるという現実に対し、多大なる責任を感じました。
僕等がロンくんに返せる事、彼の人生、ご家族、その周囲の方々にまでイメージが膨らみました。
いい意味で、自分としても覚悟を試される良い機会でした。
僕はこの時、ロンくんにとても厳しい話をしました。
ベンチャーは好きなことにチャレンジできる楽しい場所と思われても困るからです。 本人が引いてしまうぐらいのリアルで厳しい話をしました。
この段階での参加は当人にとってのリスクはかなり高く、またLiMEとしてもコアメンバーを必要としていた為、共に戦える創業メンバーを求めていました。
そういった経緯からもハードル高めの話になったのです。
その前提で以下のようなことを伝えました。
・生半可な気持ちでは到底できる事ではない。
・ビジョンに共感でき、人生をかけていいと思える会社なのか。
・LiMEに必要な能力を持った存在に成長する事が出来るか。
・生き方や生活を変える覚悟はあるか?
・軌道に乗るまで霞飯を食う覚悟はあるか?
・LiMEの事だけを考える毎日が送れるか?
・利益がでるまでは最低限の給与でやっていく事ができるか?
・将来CTOになるぐらいの気概と覚悟があるか
etc・・・
当時の僕等に軽い気持ちの人の人生を預かる余裕は無く、とにかく出来る限りの厳しめな話をしました。
そしてロンくんは内容をしっかりと理解し、受け止め帰路に。
その事を、masasさんに報告すると
masas
「え、あいつNTTデータ辞めんのか!?バカじゃねーか!!笑」
と笑
masasさんは僕の不安と責任の重圧も読み取り、続けてこう話しました
masas
「まぁ俺がどこ行っても困らないように一人前にしてやるから安心しな!俺の教えた奴らは今みんなトッププレイヤーとして活躍してるんだぜー!ただ、一生懸命育ててもみんな独立しちゃうから会社としては困るんだけどなーハハハー」
さすがのmasasさんの一言でした。ホントに頼りになる存在です。
1人、2人と・・・
ロンくんとの話から1週間後、webデザイン周りを手伝ってるコバケンさんから 「ズマさんちょっとお話があるんですが」 と電話が来ました。
ん?今度はコバケンさんから?
後日、二人でご飯を食べに行き話を聞いてみると
コバケン
「LiMEで本格的に一緒にやって行きたいと思ってまして、ちゃんとお話を聞きたいなと・・」
とのことでした。
ロンくんとは全く面識がなく、LiMEへのジョインの件も知らなかったのですが、口裏を合わせたかのようなタイミングでの参画表明でした。
まっさんと 「いやー不思議だねー!ホント」 なんて話していると、その2日後にミッチーからも
ミッチー
「ズマさん、僕LiMEで頑張って行きたいです!」
と。。みんな急にどうしたのか!?
1人から3人、3人から6人と想いを共にするメンバーが増えてきました。
タイミングが一緒すぎて怖いくらいです。
ここまでの話、奇跡のような実話なのです。ホントに不思議な体験です。
覚悟を決めた男はかっこいい
後日、厳しい話をしたロンくんから連絡がありました。
なんと既に家族に相談済み、そして会社にも辞表提出というではありませんか・・・
ロンくんの覚悟をみました。大きな決断をした彼の姿に素直にカッコいいなと思いました。
だって大企業にいれば安泰じゃないですか。給与もいいし、婚活市場でも人気でモテるだろうし。ローンだって組み放題です。一生を安心して過ごせます。
そういった全てを捨てて、わけのわからぬハイリスクなベンチャーに来てくれることって相当な覚悟だと思うんです。
大きな責任も感じますが、同時にホントにありがたいなって思いました。
夢見る中二病な男子の妄想
この時の自分のリアルな状況は、目の前は真っ暗で答えが無く、乗り越えねばならぬ壁が常に立ちはだかり、いつどんな事件が起こるのかわからないといった状況です。
今も変わらず毎週のように何かが起き、ドラマティックで刺激的な日々がすぎます。
常に焦燥感と大きな不安に包まれ、体力は消耗し、夢と現実の区別が見えなくなり、今考えている事はただの妄想なんじゃないか?と自分の思考を疑いはじめます。
今取り組んでいる事はホントに正しいのか?
自分に共感して挑んでくれる仲間なんているのか?
大きな失敗をして皆に迷惑をかけるのではないか?
そんな感情や思考が365日ずっと続きます。それを考えないようにするにはとにかく仕事をし続けるしかありません。それにより、不安を忘れる事が出来るのです。
ただ、立ち止まって不安や恐怖と向き合わなければならない時もあります。
そんな日々の中で、自分で自分を勇気づけモチベーションを保つ為の一見変わった行動を取るようになりました。それはまるで空想にふける逃避行為のようにも思えます。。。
でもそういった些細なことが夢見る中二病の男子たちには大事だったりするのかなとも思ってます。
そんな一貫で書いていたメモがあります。2014年の10月24日当時に将来の仲間に向けて書いたものです。
未来に向けてマジで想いを込めて書いてます。
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会社を1つの船で例えよう、ある島の港を出発する船だ。
船の名前はLiME、チームのみんなが乗船する船だ。
この船は利益を生む為のただの商船では無い
国の利益を守る為の海軍の船でも無い
油田を採掘する為の船でも無い。
この船は一見すると海賊船にみえるんだ。
なにせこれからの美容市場を荒らすんだから。
それぞれ個性があり、能力がある社会のはみ出しものが乗船するだろう。
変わったものもいれば天才もいる、荒くれ者だってのっている。
でも実際、この船は海賊船では無い。
LiMEは、新しい地の開拓に向かう船だ。
今まで生活していた島では限界がきた。
だから外の世界に出よう!
新しい世界を見つけよう!
これから何が待ち受けているかは分からない。
一見船長に見える私に出来る事はコンパスになるくらいだ
船が目指す方向を指し示す。ただそれしかできない。
船に穴が空いても修理はできない。
帆を貼る事もできない。
嵐がきた時にはどうしたらいいか分からない。
出来ない事がたくさんある。
苦手な事がたくさんある
でも、それをおぎなってくれる仲間がいる。
皆のチカラを貸してほしい。
共に挑む同志達よ!
さぁ!新たな世界に旅立とう!!!
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ひきこもり美容師がITベンチャーを起業した理由:1stシーズンをご覧いただきありがとうございました。
__近日公開予定__
6人ではじまるトラブル満載、奇跡の連続、LiMEの大冒険シーズン2をお楽しみに!