前回からの続きで✂︎序章になります。26歳の頃にある研究や考察をしていた美意識についての話になります。これは後々、アプリや会社を作っていく上での動機につながっていきます。
美容師として多くのお客様と関わる中で、ある気付きがありました。それは男性・女性含め、多くの方が美しくなることに対して抵抗があるということです。
自分らしい“美しさ”を自分から引き出さないように、必死にブレーキをかけている姿はとても矛盾した行為に見えました。
その人自身が美容に投資する時間やお金が無かったり、綺麗になることで損をする環境であれば理解できます。ですがそういった状況ではなく、「美しくなれたらいいな」「かっこよくなれたらいいな」と思っているのに、自らなれない行動をしている人たちがたくさんいるのです。
なぜ美の体験を拒むのか?
・自分で無意識的に似合わない髪型を美容師さんに頼んでいたり
・なりたいと思っている自分像とは違う自分を表現してしまっていたり
・旅行や外食にかけられるお金はあるのに、美容代がいつもなかったり
こういった事って美容師をしているとよくある事で、普通に過ごしていくとさらっと過ぎ去っていく些細な事です。
しかしお客様からしたら、その些細な事が解決されるだけで外見的な印象が変わり、大きな人生への変化へとなったりします。
ある日から、これってなんでだろ?どうしてなんだろ?といった疑問で頭がいっぱいになってしまいました。
現代であれば、例え時間やお金をそこまでかけなくとも、その人なりの美の楽しさや素晴らしさはある程度体験できます。誰にだって素敵になれる権利があるのです。
それなのに美しくなることを避けたり、抵抗したりする。
美しくなる事やかっこよくなることにあれこれ理由づけして抵抗をしている様は、まるで自ら幸せにならないように一生懸命に工夫しているように感じます。
研究と考察を重ねていくうちに、そもそもこれは美に対しての意識の問題である事に気付きました。
美を体験できるかどうかは美意識が重要!という結論に至ったのです。
美とは何か?
そもそも美とは何か?美容師として大事な要素なのにも関わらず、深く考えた事がなかった事に気付き、考察をし始めました。
まずシンプルなところからフォーカスしてみると、美には単純に美しいものと、美しくないものというのがあります。

それから美には内面的な美と、外見的な美が存在します。 我々美容師は外見的な美さと関係する職業だといえます。

外見的な美は 、分解していくと、根本的にはたった2つの性質しかありません。一つは男性的な性質で、もう一つは女性的な性質です。
外見的イメージはこの二つの性質の組み合わせと集合体で、最終的なイメージが出来上がります。
例えばカタチで例えると
角があるものは男性的な性質を持っており
丸みを帯びたものは女性的な性質を持っています。

色だと
寒色は男性的な性質で
暖色は女性的な性質になります。

例えば男性的な角の性質と、女性的な暖色をミックスすると、新たなイメージが生まれます。

この様に要素をミックスしていく事で最終的な髪型のイメージが出来上がります。
実際の髪型でいうと暖色カラーに、角をつくったメンズスタイルでこんなイメージが出来上がったりします。

要素は他にも様々なものがありますが、根本的な原理や性質を理解すると、複雑に見える外見的な美というのは、実はとてもシンプルだということがわってきます。
次に内面的な美です。
内面的な美にはベースとなる美への意識状態があり、その状態をシンプルにカテゴライズすると2つに分けられます。
美に対しての感じ方や視点のようなものです。
1つ目がモデルや女優さんなど、みんなが美しいと感じている美を求める状態の、他者と比べる美です。
2つ目がその人だけで個人的に感じることのできる状態の、比べない美です。

他者と比べる美の状態には上下があります。美しいものと醜いものが存在し、美しい方を目指します。他者がいて初めて成り立ちます。

比べない美の状態はその人個人だけで感じられる美の状態です。自分だけで成り立ち、美容室に行ってかっこよくなって、その自分だけの美の体験に嬉しいって感じたりしている状態です。

この二つの状態を僕は、絶対的な美と相対的な美と呼んでいます。美に対して絶対的な視点になっている時と、相対的な視点になっている時の違いなのですが、ちょっと説明が難しいのでシンプルに表現してます。
美の体験でハッピーな状態とは?
・比べる美の状態が強いと、例え外見的に美しくとも美に満たされていない場合が多くなります。
・逆に比べない美の状態が強いと、他者と比べる事がなくなるので美しくなる事を努力しない傾向にあり、物理的に美の純粋な体験ができない事に繋がっていきます。
そんなこんなと研究考察を重ねていくうちに、美の体験として一番ハッピーな状態は、比べる美と比べない美をバランスよく両方持っている状態なのだなという事に気付きました。
このバランスがうまく取れないのはなんでなのか?他者と比べたり、自分だけの世界に閉じこもってしまうのは何故なのか?・・・・
掘り下げて辿り着いたバランスを壊すきっかけの元、つまり美を体験させないように行動させる理由は美に対してのコンプレックスでした。
美のコンプレックスが美しくなることや、美しさを楽しむ事、表現する事を邪魔していたのです。
コンプレックスが美意識を捻じ曲げる
どうしたらコンプレックスがクリアできるのか気になってしょうがなかった為、興味がエスカレートして、ついには心理学を勉強してオリジナルの美容心理学コンテンツを作り始めてしまいました。

このコンテンツは自分の美意識の状態やコンプレックス状態が知れたり、または美容師さんがお客様の美意識状態を理解できたりするのものです。
美意識に関して、自分がどこにいるのかわかるという地図を作りたかったので、ビューティマップと名付けました。
美のコンプレックスは大きく4つに分類できます。

縦軸に自分の中のルールに縛られているルール主義と、理想ばかりを追い求めるドリーム主義が存在します。
横軸に美に向かって行ってる美に執着タイプと、美から離れていこうとする美に抵抗タイプがあります。
美容迷宮者

美容迷宮者は美しくしなきゃダメだと思い込み、しかし自分に自信がなく、なぜか美に時間やお金を奪われていきます。
似非ビューティ

美容抵抗者

美容抵抗者は美しくなる事が恐怖であり、美からなんとか逃げようとします。なぜか美容商品で肌荒れしたりする方に多かったりします。
似非ナチュラル

まだまだ書きたい詳細はありますが、このくらいにしときましょう・・・
このような上記のコンプレックス状態は以下の2ステップを経ることでクリアすることができます。
①気付く
②気付いたコンプレックスを受け入れる
むしろ気付けた段階でほぼクリアしたようなものです。
気付き=自覚といった事が重要になってきます。 気付くだけで人は変われるのです。
これはとても興味深い発見でした。 誰しも人生で何かに気付いては成長をしてと繰り返しているのだろうと思いますが、美意識に関しても一緒なのです。
しかし、自分に気付く、自覚するという行為はそんなに簡単ではありません。
上記のコンプレックス状態は本人が無自覚であるからこそ成り立つ状態であり、無意識に気付く事を抵抗したりします。
さらに、人間の五感は全て外向けにつくられており、自分の内部や内面を感じるようにはつくられていません。よって人間は何か媒介を通さないと自分を自覚するのが困難につくられているのです。
つくったコンテンツを使って一般向けに講座を開催したりしていた時期もありました。
しかし活動を続けていく上でこれでは多くの人に「自然な美の体験」を届けるのは難しいなと感じはじめたのです。
世の中が潜在的に求めている方法はコレじゃない!!と感じていました。
そして一生懸命つくったビューティマップを手放す事にしたのです。
闇を知ることで光がみえてくる
美に関してのある種、闇の側面に深く触れたことは今後の僕の夢を形成していくきっかけとなりました。
多くの人が美に悩み、苦労している現実。苦しめられていると自覚している人もいれば無自覚な人もいます。
闇の側面に触れたことによって、大きな希望が見えるようになりました。
「これって困難な問題に見える事だけど、解決できることだっ!」
外見的な美しさは内面的な美と大きく関係があります。敵(闇)を理解してしまえば攻略法が見えてくるものです。
そして僕の中にあるイメージが湧いてきました・・・
これからの未来、どんな人でも美をもっと簡単に表現できる世界になる
そんな未来のイメージが明確に湧いてきたのです。
素敵な未来です。
希望に溢れ、キラキラしたもので、理想郷です。
まるで現実のように肌で感じることのできる理想郷を求め、道なき道をすすむ活動を始めるのでした。
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