イメージはどこからやってきたのか?
「これからの未来どんな人でも美を簡単に表現できる世界になる」
この世界観は美容師としての10年間の様々な体験や経験が“点”として集まり、それぞれが融合して科学変化を起こし、有機的に繋がっていき、徐々にイメージとして出来上がってきました。
その世界観は、立体3D映像として頭の中に今でも存在します。
※イメージ図
そのイメージを少しでも皆さんに共有できればいいな!と思い、ブログに記します。
前回のエピソード【LiMEのビジョンができたきっかけの話!✂︎序章】はこちら
4分類にできる髪型の要素
美容師をやっていく上で、技術的にある程度洗練されてきた時期に美というものがシンプルに見えてくるタイミングがありました。
美容師をしてると、今まで見えなかったり難しいなと感じていたセンス的な、感覚的な部分が見えるようになるタイミングってありますよね?アレです。
その頃にちょうど✂︎序章で書いた内容のビューティマップの作成を始めました。
まず最初に行ったのは美容師に必要な能力というブラックボックスを解明するところからでした。
美容師に必要な能力の次に取り組んだのが、美容師のつくる髪型の考察でした。上記図でのセンス・デザイン力でアウトプットされた技術で表現された髪型のことです。
そして髪型を美しく表現するのに必要な構成要素は、すべて4つに分類する事で表せると気づきました。
※イメージ図
上記の4つの言葉の意味は僕が勝手につくったものになります。
この4つの表現がきちんとできる美容師さんは、お客様に満足度の高いスタイル提供が可能となります。
まず、文化で共通なものと、個人によって様々な部類に分かれます。
【文化で共通】
一度習得すれば全てのお客様に同じように表現できます。
【個人によって様々】
お客様毎に個別に表現する必要があります。
タイプ【文化で共通】
どのような雰囲気を表現するかと言ったものです。女の子っぽくとか、クールビューティとか。
カワイイスタイルは得意だけど、ワイルドなスタイル表現は苦手だったりとか。
エグザイルとジャニーズって全然タイプが違いますよね。そんな感じです。
それぞれの美容師さんでタイプの表現には得意不得意があると思います。お客様からすると、自分の出したいタイプや雰囲気がある場合、そのタイプの表現が得意な美容師さんにカットしてもらうと満足しやすいと思われます。
ちなみに僕は、品の隠れた芯のあるカジュアルスタイルが得意です。あとはアバンギャルドなイメージを作るのも好きです。
トレンド【文化で共通】
トレンドや流行感の表現と言った部分になります。このカテゴリーは時間が関係あるものです。トレンドは時間と関係し、トレンド=若さに直結してきます。最新トレンドに表現が近ければ近いほど、若さの象徴につながるのです。
年齢を重ねた女性は、年齢相応に見せながらもある程度の若作りをしたいものです。明治時代に流行った髪型にする人はあまりいませんよね。
ひと昔前までは、青山・表参道にあるようなサロンにしか表現できなかったトレンドですが、インターネットの発展により地方サロンでも情報仕入れが容易になり、トレンドの表現で優位性を築くのが難しくなってきました。お客様からすると、どんなサロンでも今っぽい髪型にしてもらえるのでいい時代だと思います。
ちなみに僕はトレンドはそこそこ意識してます。
バランス【個人によって様々】
バランス感や似合わせになります。今ではパーソナルカラーというのがあるように、個人の特徴を理解してその人にあった美のバランスを表現する必要があります。
よくあるのが、お客様が雑誌のモデルさんと同じ髪型にしたいと頼み、担当美容師さんがそのままの髪型に仕上げたものの、似合わないといった事が起きたりします。似合わせの表現能力が無いとこういった事になるんです。
よくお客様に「私に似合う髪の長さってどれくらいですか?」と聞かれますが、個人的には似合わない長さって存在しないなって思ってます。似合わせる事が出来ればそう思うはずです。
機能性【個人によって様々】
自宅に帰ってからも扱いやすい機能性を提供できているのか?と言った部分になります。現代の美容師さんはこの表現力が乏しい方が多いので、この技術提供ができるようになると大きな差別化になります。
よく見かけたのが、重めのスタイルがトレンドだった時に、本当に重くてやりづらそうなカットしてる人が多かったのですが、機能性を重視すると、”重めに見えるのに軽く扱いやすい”と言った表現ができるようになります。 お客様からすると、この対応できる美容師さんは少ないので今でも困っている人がたくさんいます。
美容師さんは需要があるので優位性を築くチャンスかもですよ!
ちなみに今後、美容業界で流行る技術セミナーは機能性に関するものだろうなと勝手に思っています。
僕は機能性を重要視している美容師です。
今までの時代背景的に、美容業界の発展によりタイプやトレンドの美容師全体の表現力が急激に成長し、さらにバランスもかなりレベルアップをしている感があります。
今では機能性の表現もお客様に求められてきています(お客様は、今までの時代ではしょうがないものだと半ば諦めていた)
今後、美容師全体のスキルに関してはこれ以上さらに上があるのか?といった限界領域に入り込もうとしているのではないでしょうか。
限界領域に入ると、一般人には分かりづらくなり、技術や創るスタイルでの差別化が難しくなっていきます。
美は分析して数値化することが可能になる
さて、話が大分逸れたので本筋に戻します。
「これからの未来どんな人でも美を簡単に表現できる世界になる」
これがどうやってイメージできたのか。その話の続きです。
先ほど紹介したタイプ・トレンド・バランス・機能性をさらに分解していくと、面白い発見がありました。
これらが全て【たった2つの要素】の集合体でつくられていることに気づいたのです。
これはつまり、美の要素は分析、分解して数値化することが可能というわけです。
私達が見て感じてているイメージ=男性的な性質と女性的な性質の集合体なのです 。
美の数値化が可能と言われてもあまりイメージできないと思います。
なので、歴史を例にしてみます!
昔々、超絶よく切れる包丁をつくれる伝説の職人さんがいました。伝説の職人さんの作る超絶よく切れる包丁は神がかっておりとても貴重なものでした。しかし伝説の職人さんにしか作れなかった超絶よく切れる包丁は、現代になり工場でたーくさんつくれるようになりました。その当時はそんな未来がくることなんて誰も想像していなかったのだと思います。分析して科学し、そして数値化することで機械によって大量生産できるようになったのです。
そして現代の人々は分け隔てなく誰でも超絶よく切れる包丁を使えるようになったのです。
これが私たち人類の進化です。
テクノロジーの力によって、技術力の大量生産に成功し、誰もがよく切れる包丁を手にできる世界になりました。
このような進化は技術的な分野にとどまらず、これからの将来、感覚的な分野でも同じことが起こると思っています。
つまり「芸術・センス・感性」といったものが数値化できるという事です。
美容やファッションは感覚的というイメージが強いと思います。
そんな感覚を数値化することで、不明確で不透明だった事象が簡単に表現できるようになるのです。
そう、私達は近い将来、感覚を科学する事が可能になります。
もし感覚を科学しテクノロジーによって活用できたらどんなことが可能になるでしょうか?
現在世の中の8割以上の、いや、もっと多くの人が自分にどんなファッションや髪型が似合うかわかっていません。
感覚を科学する事で誰もが「今の自分に似合うもの」に簡単に出逢えるようになります。
今まで美容やファッションといったものが苦手で難しく感じられていた方々も、シンプルに簡単にビューティを表現することが可能になるのです。
そんな未来がイメージとして広がり、それはまるですぐそこにある世界のように感じていました。
「どうやったらこの世界が実現できるのか?」
頭の中がそのことでいっぱいになってしまったのです。
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